第三話 Ayaの狙う組織J

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 真っ白な封筒には、赤い封蝋にJの刻印が押してある。 「ワラワは一度開封した。読んでみるがいい」  凛は、ToiとMoiを連れだって、先程の長く広いお気に入りの白いソファーに帰った。  Ayaが一見した所感を述べた。 「英語ですね。身元を明かしたくないのでしょう。しかも左手で書いている。インクの滲みで分かるし、角ばったスペリングは、偽装です」 「そうであろうな」  凛は、黒衣の女性に飲みものを頼んでいた。   「組織Jですか? 存じ上げませんが。Ayaも同じだろう?」  Kouの言葉にAyaは頷く。  先程まで、天井のファンで吹いていた優しい風を止められた。  蒸す感じは否めないが、Kouが猫様の毛アレルギーとのことで、配慮してくれたらしい。  凛が女性に合図をしていた。 「こちらは、李雪(りー せつ)。紹介が遅れた。彼女からワラワには一言も発してはならない」  雪は、ゆっくりとお辞儀をした。 「雪は、ワラワの母上に当たる。父上の後妻であるから、致し方ないの」  Ayaは、知っていたので、今はスルーした。  ――手紙には、こうある。  親愛なる李凛へ。  そちらに双子の雄三毛猫がいるはずだ。  我が組織Jに返すように勧告する。  尚、受け渡しには、李凛一人で来れたし。     
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