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男は、両手に一度に痛みを感じた。
奪おうとした猫様キャリーバッグを二つとも落した。
Ayaは、男が亀のようにあがいて逃げるのを足首を狙ってとらえようとしたが、泳がせることにした。
物陰から物陰へ身を隠して、組織Jの男を追尾すると、待たせていたセダンに乗ったのを確認する。
Ayaは、現れそうだと配備していた李家のハイヤー運転手から車を借り、猛スピードで行く前の車をチェイサーした。
組織Jの男の車は、意外な道へ入って行った。
真昼の天母繁華街の百貨店地下駐車場だった。
「逃がさないわ……!」
もの凄い集中力で、手負いの獲物をAyaの両の瞳から外さなかった。
Ayaへの向かい風が激しい。
それでも、瞳のスコープは輝いている。
「ターゲット、ロック・オンよ!」
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