2人が本棚に入れています
本棚に追加
第四話 組織Jのやつら
南野百貨店の地下駐車場へと組織Jの車が走る。
けたたましいクラクションであおり、周りの車を蹴散らす。
迷惑運転の真後ろは、Ayaだ。
ハイヤーは、年式は古いが、手入れが行き届いている。
「乗り心地、さいっこう! 李家はいいわ!」
セダンは、地下駐車場がコンクリートの柱ばかりで行き止まりになり、急ブレーキを余儀なくされた。
組織Jのセダンは、撃たれたハンチング帽の男を助手席から放り出す。
仲間と思しきフルファイスの運転手は、切り返しが上手く、Ayaのハイヤーを狙ってUターンして来た。
「いっけー! おらあ! おららあ!」
フルフェイスがジャンキーに叫ぶ!
「坊や。ちょこざいな!」
Ayaは、ハンドルを大胆に回す。
「スラロームでかわすわ」
右!
左!
右!
行き止まりになる。
ハイヤーをUターンだ。
「組織J、待ちなさい! はああー!」
Ayaのハイヤーは、後ろから、セダンに迫った。
速度を保ち、さっと運転席の窓から身を乗り出す。
その手には既に、シュヴァルツ・ドラッヘが握られていた。
「ターゲット、ロック・オン!」
シングルアクションだ……!
最初のコメントを投稿しよう!