第四話 組織Jのやつら

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 だが、車体が揺れたのみで殆ど動かない。  Ayaはフルフェイスが車を動かすことを想定していた。  引き金を引くだけで、ハンマーを即起こす撃発作動機構を用いる。  ダブルアクションだ……!  三発目の球はリアシートから窓をうがち、四発目の弾丸がルームミラーを打ち砕いた。 「ひいいい!」  甲高い悲鳴が上がった。  Ayaは、エアバッグに挟まれている人物を引きずり出した。 「さあ、観念しなさいね。組織Jのアジトへ連れて行くのよ」  どこかやわらかいと思ったら、小ぶりながらバストがある。  Ayaの引きずり出した人物は女性だった。  フルフェイスヘルメットを取ると、二十代半ば程度で、アジア系の面差しをしている。 「私は、何にも知りません。アンダー・リーフズには、何も知らされないのです。幹部ではない限り分からないと思います」  Ayaがねめつけても、知らぬ存ぜぬと首を振る。 「質問を変えるわ。アンダー・リーフズとは、何かしら?」 「その……」  アンダー・リーフズの女を後ろ手に組み伏した。 「言い淀まないで」 「ひいっ。階級制度の下の者どもを指します」  Ayaは、女のポロシャツの襟元をつかんで、ぐいっと顔を引き寄せた。 「どんな、集団なのかしら? 組織Jとは」     
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