11:50/シュピーゲル・トリックデック

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『ザーーーーーーーイッツ……ジジッーーーーーザァーーーー……』  ダメだ――。ノイズがひどい……。  どういうことだろう?と視線を送る。 「……ウーン。たぶん、送信機がまだ微量な電波を送り続けてるんじゃないかな?それがわたしの電波とが混ざって混線してるんだと思う」 「――そうか。じゃあ送信室いって送信機の電源落としてくる。バンビはこのまま、さっきの放送を再開してて」 「――オッケー!聴収率30%位とってプロデューサー見返してあげるね!ケイト」  励ましてくれているのだろうか、なんだかレアな発言だ。  こんな状況にもかかわらず、思わず口元が緩む。  私は振り返って少女がどんな顔でそんなセリフを言ったのか見てやろうとか思ったが――焦る気持ちがそれを許さず、そのまま私の足を駆けさせた。
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