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「ルゥ君、大丈夫?」
「花ちゃん……ふえぇええ」
ルゥリッヒは、よく泣く子供だった。
海外の血を引いた濃い顔立ちに、長身。
それなのに内気で引っ込み思案の性格。
「せっかく綺麗なのに、なんでこんなに泣き虫かなぁ」
「僕、この外見が嫌なの」
「可愛い顔なのに。ほら、私のお洋服私より似合いそう」
「本当?」
「着てみる?」
私はふざけたつもりでそう言った。
のに。
「ん」
ルゥリッヒは真顔で頷いてその花柄のワンピースに袖を通した。
そして、鏡の前でにっこり笑った。
「僕、これからは女の子の格好したいな……なんか勇気出る」
私が、ルゥリッヒの道を踏み外させた瞬間だった。
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