寂滅

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「よっしゃ。これで俺も下等になれっかな?いや、まだか?ま、どうでもいいか!」  いつも死神と会っている場所に着くと、そこにはまだ死神がいなかったため、仕事でもしているんだろうと大人しく待つことにした。  気付いたらいつの間にか寝てしまっていたようで、起きているはずなのにまだうとうとと夢うつつの中、冷たい空気が身体を覆ったことによって、死神が戻ってきたことが分かった。  寝たふりをしていたわけではないが、まだ完全に起きていなかったイベリスは、そのまましばらく寝ていることにした。  「閻魔め。今の椅子に座っていられるのも今のうちだ。必ずこの手で引きずり下ろす」  以前から、どういうわけで死神が閻魔の椅子を狙っているのかが気にならなかったわけではない。  だが、正直に話すとも思えないため、とにかくイベリス自身のためにと行動してきた。  ゆっくりと身体を起こすと、死神が気付く。  「ここで寝るなと言ったはずだ」  「良いじゃねえかスか別に。ついさっき、人間を一人あの世に送ってやったんすよ?んなケチケチしねぇでくださいよ」  「一人静は始末したのか」  「そんな指令あったんすか?」  そう答えると、睨まれてしまった。  あくまで、死神から言われたことは、ここまでのぼりつめたいなら自分の言う事を聞いて動け、というものだった。  「んな怖い顔しねぇでもいいじゃないっすか。てか、あいつが邪魔なら自分でやった方が早いんじゃないすか?俺は本来、今際で彷徨ってる奴を呼び寄せる幻想すよ?人間でもねえあいつに勝てるわけないっすよね」  「・・・・・・」
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