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その直後、60頭の蝶は一つにまとまり異形の彼の姿へと戻った。
「嘘ッ!? 緑の翼の攻撃を避けるなんて普通じゃないでしょ!」
翼の悪魔が今まで戦って来た者の中で、緑の翼から放たれる無数の尖る羽の攻撃を傷一つ付けることなく避けた者は皆無だった為か、想定外の出来事に翼の悪魔は眼を丸くして叫んだ。
「…ッ! 仙法術・変放術・喰い破る指の凶弾」
異形の彼は見逃さなかった。
悪魔が一瞬の隙を見せた事に気付いた異形の彼は、竹棒を地面に捨て自由になった左手で印を結び右手の5本の指を凶弾へと変え悪魔へと放った。
「ッ! 指を!? 嘘でしょッ!? 翼せいせ…ダメだ間に合わない! 自由へと翔ける漆黒の翼ァッ!」
翼を持つ悪魔は異形の者の指から放たれた攻撃に対し「新しい翼を生み出し対処しようと試みた」のだが、今から発動しても間に合わないと判断し既に発動している「空を自由に飛ぶ事の出来る能力」を持つ漆黒の翼を大きく羽ばたかせ、ギリギリの所で5本の指の凶弾を避けた。
危なかった~……。イヤ、本当に危なかったけれどソレ以上に「異形者」が本当に危な過ぎでしょ。自分の指を切り離し弾丸にして放つ術とか…一体何考えているの? どれだけMなのッ!?
今頃激痛でのたうち回っているのでは…
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