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楽園
彼が居住を構えている場所は、中央平原の湖から程近い南東に位置する小高い山。そこで山菜等を取り自らの身体を鍛えながら生活をしていた。
身体を鍛えるのには理由があった。
この世界は精霊達のおかげで「ただ生きていく」だけでは何不自由しない楽園なのだが、それと同時にこの世界を知りたい、壁の向こうを見てみたい。など冒険を志す者達にとっては非情に過酷な世界でもある。
何故ならばこの楽園に住む民族、部族は縄張り意識がとても強く「自分達の仲間」以外の者がその領域に足を踏み入れた途端、ありとあらゆる武器、鍛えし技、そして鍛錬によって生み出した「術」を使い外敵を徹底的に排除する。
彼自身もまた自らの住む小高い山の領域が侵されないよう、侵入者に負けないようにと日々身体を鍛えているのだった。
「流石に疲れた…今日はここまでにしておくか」
この日の鍛錬を終えた彼は、全身の力を抜き重力に逆らう事なくその場に大きな尻餅をつき大地に身を委ねた。
彼が今鍛えているものは『竹を加工、強化して作り上げた棒を使った体術』と自らの力で生み出し編み出した『仙法術』と呼ぶ術。
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