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なッ!? 消えた…? 嘘だろ? ッ……。
ハザマはすぐさま落ち着きを取り戻し破壊王の気配を感じ取れるように感覚を集中させ研ぎ澄ました。
しかし
…先程まで痛い位に感じていた殺気溢れる気配すら感じ取る事が出来ないなんて…。一体奴はどこに
「う゛ッ!!」
いつの間にか真後ろにいた「らしい」破壊王が、その暴風を生み出す威力の蹴りを背後からハザマの耳元へと放った。
その衝撃をもろに受け、ハザマは左方向へと大きく倒れ込んでしまった。
「グハッ! 畜生…!」
ハザマは軽く血反吐を吐き起き上がろうとする。
しかし、破壊王の蹴りにより三半規管をやられてしまったのか、下半身が言う事を聞いてくれなかった。ガクガクと震える両足を、これ以上震えない様にと両腕で抑えつけながら何とかハザマは立ち上がった。
が
もちろんの事、その無防備なハザマの状態を放っておく事は無く、破壊王は畳みかける様に遠心力を込めた後ろ廻し蹴りをハザマの後頭部に打ち付ける。
「うぁッ!」
ようやく立ち上がれそうになったハザマだが、真後ろからの力強い衝撃にうつ伏せの状態でまたしても倒れ込んでしまった。
……う、嘘だろ…? 鉤爪の斬撃はともかく、蹴りの衝撃ですら真徹纏で防ぐ事は出来ないのか?
蹴りのダメージが身体の芯まで響き未だに三半規管がやられているハザマは、竹棒を支えにして立ち上がる。
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