日和食堂

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それからと言うもの、彼は週に1度は顔を出すようになった。仕事柄、生活が不規則みたいなので、早く帰れた日を狙って来てくれているようだった。 この数日で、彼について知った事が2つ。 1つ目は、極度の人見知りである事。 敬語も本当に苦手だったんだと思うけど、一緒にご飯を食べるようになってから、よく喋るようになった。相変わらず無愛想で、ぶっきらぼうだったけど。 ちなみに、仕事の時はモードを切り替えるから大丈夫らしい。 2つ目は、お肉が好きな事。 お魚を出した日は、残しはしないけど、あからさまに嫌そうな顔をされた。 こんな若い男の子と食事をすることも無いので、週に最低1度のその日が、私の楽しみになっていた。 彼が嬉しそうなリアクションをしたり、少しずつ口数が増えたりすることが嬉しくて。曲がりなりにも私は女で、しっかり母性が備わっていたんだな、と思った。 そう、この時は、この感情を「母性」だと思っていた。
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