4人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
――ガタン、ガタン。
乗せるはずだった一人を置いて、電車が走り出す。
泉さんは口を丸く開けながら、ゼィゼィと息を切らす俺をぼんやり見ていた。
「何ですか……急に……」
頬を真っ赤に染めながら、彼女が言葉を絞り出す。
この瞬間、わかった。
なんで俺が、関係ないはずの俺をもが、8日をくり返していたのか。
関係なくなんて、ない。
今から、この8日から、静さんの代わりに、この俺が、彼女を支えていくのだ。
こうして、やっと、俺たちの未来は進み始めた。
とりあえずは、高橋に合コンキャンセルのメール、送らなきゃ。
そう俺は、心の中でつぶやいた。
最初のコメントを投稿しよう!