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そんな感じで半分寝ながら俺は家に着いた。
しかし、どうやって帰ってきたかの記憶はどこにもない。
俺は玄関を開けて一応「ただいま」と声を発した。
どうせ母さんが昼のワイドショーでも見ながらリビングで寝てるだけだろうし…。
リビングのドアを開けると、マルクス・アウレリウス・アントニヌスがタバコを吸いながらテレビを見ていた。
「よお、テツヤ。おかえり…」
マルクス・アウレリウス・アントニヌスが俺に…ってややこしいな、母さんの弟のシンジ叔父さんがそこに居た。
「シンジ叔父さん…。来てたの…」
俺は別に驚きもせず、鞄を階段に置いて、ソファに座った。
叔父さんがうちに来るのは珍しい事じゃない。
結構な自由人で、どこかにフラッと行ってはお土産を持ってやってくる。
この間はエジプト、その前はペルー、その前は…まあいいや。
おかげでうちのリビングには不気味なお土産がたくさん飾ってある。
海外から帰るとうちで母さんの飯を食う。
和食がどうしても食いたくなるらしい。
しかも母親の味が恋しくなるそうだ。
母さんの飯はどうやら祖母の味を完コピしているらしい。
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