ー日常の中にトキメキー

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私の中で 優子さえ、離婚届に、署名捺印してくれれば 課長と私は入籍できると思っていた。 慰謝料も、200万、支払ったんだから 早く、離婚の話を進めて欲しい。 ある日、 課長が 職場での飲み会に出席して 帰りが遅くなった。 私達、外交員は、呼ばれてなくて 係長クラスから、上の人達 そして、支社長まで、 参加する飲み会だった。 珍しく、課長は、 酔って帰ってきた。 シャワーは、明日、浴びるからと スーツを脱ぎ、パジャマに着替えて ベッドに 入った。 スーツの上着のポケットには スマホ。 いつもなら カバンの中に入れてあるのに。 飲み会、終わったあと、 誰かと、メールでも やりとりしたのか? お疲れ様の挨拶でも、送ったのかも しれない。 その時、 ピコーンと 画面に表示された文章は “優子”からのLINEだった。 『大丈夫?ちゃんと帰れた?』 え? 優子と、やりとり していたの? 私は 優子との やりとりが 気になった。 でも、 中を見てしまうと この、メッセージまで 既読になる。 しかし、 課長は今夜は、かなり酔っているので 既読になってても 自分が、読んだと思うかもしれない。 課長のスマホのロック解除は 指紋だ。 私は、 寝室に行き 課長の 右手人差し指を スマホに当てた。 スマホのロックが解除された。
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