助けてくれた人は…

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助けてくれた人は…

ある夜、友達の家へ遊びに行った帰り道。 私は家に帰る道を急いでいた。 明日から高校二年、学校があるので早くシャワーを浴びて寝ないと、進級して初日に遅刻したくないし。 ちなみに、夕飯は友達の家で食べて来た。 それに帰宅を急いでいる理由はもう一つある。 最近この辺りで不審者が目撃されてるから。 というわけで、叔母さん達から暗くなる前に帰って来るようにと言われていたんだけど、友達のお母さんが夕飯を食べて行きなさいと私の分まで作ってくれたので、断りづらくなってしまって今に至る。 私の保護者替わりである叔母さんと叔父さんは、共働きで遅くまで帰って来ないので、帰るのが遅くなってもバレない限り怒られることはない。 というかバレても特に怒られることはない。 二人とも私に優しく接してくれるけど、心の中ではどう思っているかわからない。 あの家で暮らし始めて九年近くなるけど、一回も怒られたことが無い。 だって、私は叔母さん達の子供じゃないから。 心配されてないから。 それに叔母さん達には本当の子供がいるし。 私なんか比べ物にならないくらい、綺麗で頭も良くてなんでも出来る一人娘が。 帰る時間になった時友達の親が送ってくれるって言ってくれたけど、悪いと思って断った。 夜道が怖くて、やっぱり送ってもらえばよかったかな、なんて思った。
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