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2人の親友
私はマンションを出てからずっと白金さんのことを考えていた。
歩いている途中、曲がり角から親友の一人である青山美月(あおやま みづき)が出て来るのが見えた。
「おはよっ、美月。今日早いね」
私が後ろから声を掛けると、美月は驚きもしないでいつものクールな顔をこっちに向けた。
「おはよう、奈心。あたしはいつもこの時間よ、それに早いんじゃなくて奈心が遅すぎるのよ。いつも遅刻ギリギリじゃない」
「あ、そっか」
なんて話しながら学校までの道を二人で歩いて行く。
美月は私の親友の一人。
自分で言うのもなんだけど、ちんちくりんの私と違って背もすらっと高くてモデルみたい、綺麗な黒髪は背中まであって着物とか来て髪も結ってもらったら、ものすごく似合いそうな和風美人って感じ。
制服は着崩してない、優等生みたいな見た目。
みたいっていうか、実際優等生なんだけど。
それに加えて性格はクールで落ち着いてて、私よりお姉さんぽいし。
美月とは保育園の頃から一緒にいるらしい。
私は小学校高学年まで記憶が無くて1番古い記憶が中学入学前、でも中学くらいから見てても取り乱したり怒ったりしたところは今まで見たことがない。
「ところで奈心、なんで今日はこんなに朝早いの?いつもギリギリなのに、何かあったの?」
さすが美月、私は昨日白金さんに酔っ払いから助けてもらってからの事を全て話した。
名前はさすがに個人情報だから言わなかったけど。
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