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「あ、あの!ありがとうございました!」
私は男の人が怖くて苦手だけど、この人みたいな人だったら大丈夫かもしれないと思った。
すると男の人は呆れたような声を出した。
「お前なぁ、女の子がこんな時間に一人で出歩くなよ。今回は俺がたまたま通りかかったからいいけど、もし誰も来なかったらどうなってたかわかんないぞ」
その言葉に今更ながら身体が震えてきて、私は思わず謝っていた。
「ご、ごめんなさい」
「いや、今のは俺の言い方も悪かった。でも次からは気をつけろよ」
男の人は私を安心させるように頭をぽんぽんと撫でてくれた。
私は自分でびっくりしていた。
だって普段男の人が近くにいるだけで震えが起きるのに、今はそれが起きないから。
この人が助けてくれた人だからかな?
自分でもよくわからない。
「もう遅いし、また絡まれるといけないから親御さんに迎えに来てもらえ」
突然そんなことを言い出した。
叔母さんも叔父さんもまだ仕事してる時間だし、迎えに来てもらうのは悪い。
居候の身で迷惑はかけたくないし。
「大丈夫です。もう家もすぐなんで一人で帰れます。助けてくれてありがとうございました」
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