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「あれはですね昨日帰って来た時に門の前を車が通りかかったんですけど道に迷ってたみたいで、駅の方向を聞かれたので教えてたんです」
「…………」
美沙緒ちゃんは私の説明を聞いても黙ったまま。
ちょっと説明がわざとらしかったかな?
「あの、どうかしましたか?」
沈黙に耐えられなくなった私が、そう切り出すと。
「なんでもない。じゃあ私そろそろ行くわ」
そう言って美沙緒ちゃんも出掛けて行った。
なんで今日に限ってあんなこと聞いてきたんだろう。
何か気付いてるのかな。
そんなことを頭の中でぐるぐる考えながら洗い物をしていたら、そろそろ学校に行く時間になったので私も洗い物を終わらせて家を出たのだった。
それにしても美沙緒ちゃんとまともに喋ったの始めてだったから変に緊張しちゃった。
結局敬語になっちゃったし。
でも白金先生の顔見られてなかったみたいで良かった。
見られても美沙緒ちゃんは白金先生を知らないから大丈夫だと思うけど。
先生の車に乗せて貰ったなんて知られたら問題になっちゃうかもしれないもんね。
なんて考えながら、私は学校に向かう足を速めた。
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