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数学準備室
「ただいまー……」
私が教室に戻ると、2人はお弁当を広げているところだった。
私に気付いた恋歌が、
「あれ、奈心。購買行ったにしては早くない?」
「もう売り切れてて……」
私が理由を説明しようとするも、恋歌は目ざとく私の手にあるものを見つけたらしい。
「じゃあ、何でメロンパン持ってるの?1番人気のじゃん」
「……それを今から説明しようとしてるんだけど」
私がジト目で言うと、
「なはは、ごめんごめん。さあ、説明プリーズ!」
と言いながら手のひらを上に向けてこちらに突き出してくる。
少しもごめんと思ってないでしょって言いたくなったけど、昼も終わっちゃうから私は説明を始めた。
「えっとね、購買行こうと思ってたんだけど、階段でばったり水川君に会ったの。で、購買売り切れたよって言われて……。教室戻ろうとしたら、あげるからって。ほんとに水川君て優しいよね」
私も水川君に何かお返しした方がいいのかなっ、て2人に聞こうと思ってやめた。
なぜかその話をしてる途中から、恋歌がニヤニヤし始めたから。
美月はお昼それだけ!?って量のサラダを黙々と食べてて興味が無いみたい。
私もお昼が終わっちゃうと思って、急いで貰ったメロンパンを開けて食べ始める。
けど、さっきの話をしてから、恋歌がニヤニヤした顔のままこっちを見てくるから食べ辛い。
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