数学準備室

2/7
前へ
/74ページ
次へ
せっかくのメロンパンの味が分からない。 「なに?恋歌」 て聞いてみるけど、 「いやぁ、なにも??」 やっぱりニヤニヤしてて、明らかに何も無い人の顔じゃない。 「も?!気になるから言いたいことがあるなら言ってよぉ?」 いい加減我慢出来なくなって私がそう言うと、 「いやー、良吾くんやるなぁ?って」 とか意味の分からない事を言うから私の頭はハテナだらけだ。 「なにが?」 聞き返してみると、 「さっきは教室に人がいっぱいいたから美月に止められたけど、今は少ないし大丈夫だよね」 と恋歌が美月に同意を求める。 「あんなに水川のファンがたくさんいたんだもの。言ったら問題になるでしょ?でも声は抑えなさいよ」 2人がよく分からない会話をしてる。 私だけ分からなくて、なんだか面白くない。 それが顔に出てたみたいで恋歌が慌てて続ける。 美月の言った通り声は少し抑えめで。 「わたしの見立てでは、良吾君は奈心の事好きなんだと思うんだよね」 意味の分からない事を言い始めた。 「そんな事あるわけないでしょ」 私が否定すると恋歌は更に食い下がってきた。 「じゃあ、本当にあったらどうするの?さっきパン貰った時とかなんとも思わなかった?」 「まあ、優しいなとは思ったけど、それ以外は特に……」
/74ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加