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メロンパンのお返し
白金先生に水川君のメロンパンのお返しを何にしたらいいか相談した次の日の朝。
私は美月に、先生に聞いたことは伏せて水川君へのお返しをどうするか話していた。
話してる途中からずっと気になっていたんだけど。
「ねぇ、美月さっきからなんで難しい顔してるの?」
そう、さっきから美月は眉間にシワを寄せている。
「ねえ奈心、あんた水川と話せるようになったの?」
美月が唐突に聞いて来た。
「無理に決まってんじゃん。なんで?」
「……」
沈黙する美月。
「なんで黙ってるのー!」
「だって奈心。喋れないのにどうやって水川に欲しいパン聞くのよ」
「……はっ!」
「そこ、一番重要なんじゃないの?しかも言われてから気付くって……」
美月が呆れてる……。
自分で考えたわけじゃないけど、いい案だと思ったのにな。
「また考え直さなきゃ」
私はがっくりと肩を落とす。
「まあ、頑張りなさい」
美月は前を向いたままそう言う。
「美月の意地悪ぅ」
「奈心の為よ」
そんな話をしながら学校に到着した私たちだった。
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