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二人って知り合いなの?
そう聞きたいけど、聞ける雰囲気じゃない。
美沙緒ちゃんは笑顔だけど、怒っているのが分かる。
その美沙緒ちゃんに対して先生も真顔でいる。
知り合いに会ってこの雰囲気、仲が悪いのかな……?
「美沙緒……」
そういえば思ったけど美沙緒ちゃん先生のこと名前で呼んでた。
そしてそれは先生も。
「ねぇ、答えてよ。なんでその子といるの?」
「こいつは俺の担任してるクラスの生徒だ」
「へえ。先生が一人の生徒、しかも女の子を車で送るなんて、バレたら問題になるんじゃない?」
「別にやましいことはないから大丈夫だ」
「この間もでしょ?流石に頻繁じゃない」
見られてたんだ……。
「美沙緒ちゃん!先生は絡まれた私を助けてくれて、それで送ってくれただけなの!」
「あんたには聞いてない」
私を睨みつけながら美沙緒ちゃんは吐き捨てた。
「……」
「ねぇ奈心、あんた知ってんの?私と隼人が付き合ってた事」
「……え?し、しらない……です」
「もう終わったことだけど、私たちが別れた理由は奈心、あんただから」
「私?」
「そうよ、私が隼人と付き合ってたのに、隼人はあんたをひと目見てから変わった」
「……」
「私と付き合い続けてたのも、あんたに会うためだったのは分かってた」
正直頭が混乱していた。
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