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僕が部屋で寝ていると
それから三か月ばかり過ぎたある日の夜、僕が部屋で寝ていると、突然、部屋のどこかからか大きなバリバリという音が響いた。僕はあわてて飛び起き、部屋の明かりをつける。
ハゲタカが自分を閉じ込めている檻を食い破ろうとしていた。檻は金属製でしっかりしたつくりのものだったけど、ハゲタカは扇風機だってあっという間に食べてしまったのだ。金属製の檻だって、食べようと思えば簡単に食べてしまえるはずだ。
「おいやめろ、それはエサじゃないんだ」
僕はハゲタカにそう叫んだが、ハゲタカは檻を食べ尽くしてしまいそうないきおいで、くちばしを檻に突き立てている。もうすぐ、ハゲタカが檻の外に飛び出してしまいそうなくらいの大きさをした穴ができてしまいそうだ。
僕はスマホを手にし、ハゲタカについて検索する。どこかにトラブル対策が載っているはずだからだ。バリバリバリ、ハゲタカのくちばしが檻の金属をついばみ、引きちぎろうとする音が、スマホを操作する僕の指先を焦らせる。
震える指先で操作されたスマホは、ようやく最新型ハゲタカのエラーが報告されているページを見つける。
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