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火曜日(3)
眠りについてすぐ、ユミカを見つけた。彼女は昨日と同じように学校の制服を着て、大樹の根元に寄りかかっていた。僕も彼女に合わせて制服に着替え、歩み寄って声をかける。
「今日は控えめね」
現実のユミカが同じ夢を見ているとわかれば、傍若無人には振る舞えない。うん、まあ、とごまかすように返事をした。
「ほらほら、昨日の豪介はもっと男らしかったじゃない」
からかうように肩を叩かれ、開き直ることにした。僕が笑うと彼女も微笑んだ。
海が見たいとのリクエストがあったので、例の絨毯で砂浜へと向かう。彼女は初めから僕の背中にしっかりと掴まった。心なしか、昨日よりも腕に力がこもっているような気がした。
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