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月曜日(5)
ユミカの話は夢の中とは思えないほど現実的な内容だった。休みの日は家で何をしているのか。好きな女子はいないのか。そのようなことをあれこれと尋ねられた。夢の中だからと思って正直に答えると、彼女は僕を馬鹿にしたりすることはなく、かえって羨ましそうに聞いていた。
やがてユミカは自分のことを話し始めた。
「私ね、写真を撮るのが好きなんだ」
写真家やそれを嗜む人が身の回りにいなかったせいか、僕はユミカの趣味を意外に思った。もちろん、彼女が今話していることは僕の夢における出来事であって、現実世界でユミカがどんな趣味嗜好を持っているかは全く関係ない。すごいなあ、と大げさに驚いて見せると、ユミカは拗ねたふりをして、それから笑った。
「今日、帰りに踏切のところで会ったでしょ? あのとき、野良猫の写真を撮ろうとしてたの」
パンツが見えたときのことだ。その点について僕からは触れなかった。
「結局逃げられちゃって、一枚も撮れなかったんだけどね。君にはパンツ見られるし、散々だったわ」
「ご、ごめん」
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