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「……」
僕の声に呼応してくれるかのように、こちらを向いて全員が頷いてくれる。意思疎通が……図れた。
巨大な敵に立ち向かうには? 巨大化した怪物を倒すために、戦隊ヒーローは何をする?
答えは自明。……呼ぶんだろ?
「カモンっ、鳳凰ッ!!」
「反車っ、GOぉぉぉぉぅっ!!」
「来たれ我にッ!! 猛豹ぉぉぁぁあっ!!」
「盲虎、ショウタイムっ!!」
「来い、金飛車(棒」
召喚方法はまちまちだったが、オマージュなのかパクりなのか判別不能だったが、とにかく呼ぶことが重要であるわけであり。僕は小声で、「獅子見参」と言うにとどめておいた。
瞬間、星々の流れる暗黒空間の彼方から、疾駆してくる六つの影。
紅の鳳凰、碧の鯨、黄の豹、桃色の虎、そして赤き獅子。……もうひとつ金色の五角形そのものの物体も飛来してきたけど、僕らの許に近づくにつれて、そのカリカチュアライズされた造形ながらも、均整のとれたフォルムが露わになってくる。
僕らが搭乗する「ロボ」。……「メカ」と称してもいいかも知れない。疲弊していた体に、得も言われぬ力が漲ってくるのを感じている。
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