△5四竪兵(しゅへい)

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 六体の動物(一部例外有)を模したロボットは、意思を持つかのように僕らの跳躍に合わせ、その背中に誘う。僕の乗る「赤き獅子」は、時折、ごう、とうねるように吠えると、力強く盤面を蹴って、敵の真っただなか目指して、走り始めるのであった。 「おおおおおっ!! ダイショウギチェンジっ!!」  その雄々しき背中で、僕は再びの変身を行う。テンションは上がりきって全開だ。今の僕なら何体でも屠れる、そんな万能感の中に僕はいる。そしてそんな僕を後押しするかのように、「更なる変身」がもたらされるのであった。 「……!!」  通常の赤いスーツに黒いプロテクター。しかし今回は輝く銀色のパーツが中空から現れ、その上を覆っていく。肩当て、ヘッドギア、リスト、膝当て。それらが次々と装着されていくにつれ、力が漲ってくるのを感じている。 今までの対局では敵陣に入っても「成る」ことは出来なかったのに。これも、嘉敷(カシキ)博士の言う「オマージュ+イマジネーション」の力……「オマジュネイション」の力だとでも言うのだろうか……っ。 「……獅鷹(しおう)」  頭の中に自然に浮かんで来た、その呼称を口に出してみる。そして、 「……『レッド獅鷹』ッ!! 見……参!!」  溜めを利かせて名乗りを上げた。その勢いのまま、敵駒が群れている正にその渦中へと踏み込んでいく。
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