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「……!!」
次の瞬間、こちらも凄まじい速度で急降下して「紫玉」の下方に回り込むと、自機の半分くらいはある直径のエネルギー球を両手で押しとどめることに成功する。しかし、
(……止まら……ないっ!!)
ずるずると空中を滑るかのようにして、僕らの「ロボ」と「紫玉」の降下は止まらない。何ていう、重さだ。これが自ら負けを認め、それを宣言することによってしか終結しない、投了の重さとでも……いうのか。
だが、それに気圧されている局面じゃあない。僕はシックスパックされた丹田の辺りに力を込めていく。自分の体重より重い負荷を、持ち上げるように。
「……!!」
それでも上がらないか。ならば……っ!!
「……みん……なの……力を、貸し……てく……れ」
食いしばった歯の間から漏れ出た僕の声に呼応するように、仲間たちの力の奔流のようなものが、僕の体内に流れ込んでくるように感じられる。
「鵜飼ィィィィィィっ!! これしきの玉、跳ね返さんかぁぁぁぁっ!! タマついてんかァァァァァァァっ!!」
ナヤさんの素っ頓狂ながら、力が湧き出る罵倒を皮切りに、
「と金……お前の思考が私の中に入ってくるような感覚が非常に気持ち悪い。早く何とかしろ」
「モリくんの思考って……モリくんなんだね」
「ええやん、思春期男子の欲求パンパンで。思う存分、放出したらええのんちゃう?」
「合体アンド合体……それこそが男の浪漫だよ、鵜飼くん」
あまり声援とは思えないような、それでも僕の背中を後押ししてくれるような、仲間たちの「思考」も、僕の脳内に流れ込んでくるように感じ取れた。
僕らはひとつ。そしてまだ……拡張する余地があるってことを見せつけてやるっ!!
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