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静かな怒りは、表面上は収まったように思えた。が、それは上っ面だけのことであって、皮一枚の下には、抑え切れない奔流を無理やり全身に巡らすエネルギーに換えて収めているような、そんな持て余し気味の熱の滾りを、冷えた頭で感じている。
スクリーン越しの前方には、触手のあらかたを失って茫然としているかのような先女郷の間抜けな姿があるばかりだ。
「リング」は既にバラしていたから、先ほどまでのように、その半魚人じみた巨体を宙に浮かせている。かくいうこの「ダイショウギオー」も説明不能の力で空に佇んでいるわけだが。ここで、この場所で。
決着を、つけようぜ。
<マだ……抵抗すル気配ヲ見せルとは、実に興味深イ……クくクク、またさっきノ奇天烈な技デもって向かッてクルのカ? まったクもって、私ニは効かンがナぁ>
お前のそのツラも、持って回ったような口調ももう、うんざり飽きてきてるんだよ。
……お前を、身体ごと魂ごと、刈り取ってやる!!
「おおおおおッ!!」
大将棋神よ、いるのなら、いまこの瞬間だけ、僕に力を。
「……!!」
瞬間、僕らのロボのボディが、黄金色に輝く。
力が流れ込んでくるような感覚……先女郷に取り込まれた人たちが、僕らに力を与えてくれているのだろうか。その半魚人の体躯のあちこちから煙のように上がっている「黄金色」のエネルギーの流れが、僕らの許へとたなびくようにして流れ込んでくるのを感じている。
ありがちな感じだが、それこそが「オマジュネイション」のシンプルなパワー。カタルシスをシンプルに力に変換させて、お前を討つ。
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