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なんだその気になる動作は?
そう思いながら俺は楠木さんの背中を目で追う。
何やらデスクの前にいた社長と目配せし合うと楠木さんは自分の携帯を耳から外した。
「マリオのマネージャーからっ」
こそっと社長に耳打ちしても静かな事務所では会話が筒抜けだ。
社長は携帯を寄越せとばかりに楠木さんの方へ手を伸ばしていた。
マリオのマネージャーから……
その会話だけでピンとくる。
また、あの美脚ガールに仕事のオファーなんだろうか──
俺はケンゾーさんの隣に腰掛けて聞き耳を立てる。楠木さんは社長に電話を手渡していた。
「もしもし、その娘の代わりにもう一人ウチのイチオシの娘がいるから試しにどうですか?」
──…イチオシ?
社長の切り出した言葉に、はあ?──っとなる。
もしかしてイチオシって・・
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