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晶さんに捨てられなくて良かったと胸を撫で下ろす。
「なんだ、ぶちゃいくちゃんか…」
そういや、この間撮ったって社長が見せたウィスキーのポスターも背中向けでマリオに抱き締められてて顔が見えなかった──。
完全顔出しNGか?
でも難攻不落のマリオがご執心なんだ。もしかしてマリオってJB(純ブス)専?
それか徹底実力志向か……
「オファーきた仕事ってなんだったの?」
「カップラーメンだと」
「カップラーメン!? マリオが!?」
「ああ、熱清フーズのな」
「やっぱ大手じゃん、でもマリオがラーメン…て」
イメージ沸かない…
新ジャンル開拓か?
男性化粧品に高級車…大人の男を意識したイメージが売りのマリオが──
「カップラーメンとマリオ……やっぱ想像できない…」
ブランドスーツを着たマリオとカップラーメンを頭の中で合成させてみた俺はポツリと呟いていた。
楠木さんは奥の部屋で電話片手に何やらずっと交渉中だ。
「撮影の日に丁度、連休取ってるけど予定があるから無理だって」
「そうか…」
電話の内容を報告する楠木さんに社長は渋い顔を向けていた。
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