第3章 生徒会

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「もうすぐ、生徒会の長である生徒会長を決める選挙があるらしい。僕はまず、そこで生徒会長になるよ。」 サタンは、さも当然のようにそう言い放った。 (何言ってんだよ。生徒会長は毎年、立候補が多くて、そう簡単になれるもんじゃないんだ。) (それはそうだろうな。なんたって学校のトップだ。) (それもあるけど、大半は推薦狙いなんだ。生徒会長ってのは箔がつくから。) (なるほどね。トップの座は次への踏み台でしかないってことか。心配するな。上を見てる奴は、どんなに下に気を張ってても必ず、下に対しての妥協が出てくる。そんな奴らに負けるようなら地獄の王様は交代だな。) 「何話てんのさ、全く。いいよなベルゼブブは、契約者と会話できて。」 (・・・。どういうことだ。俺だけなのか、こんな風に自由に会話ができるのは。) (そうだ。原理は分からんが、なぜか俺と契約を結んだ者は、いつでも自由な意思疎通が出来るんだ。) (じゃあ、他の契約者はどんな感じなんだ。) (完全分離だ。会話はむろん出来ず、体を支配されている時は眠っているのと同義だと聞いている。) (まじかよ。じゃあ自分の悪魔がどんな奴か分かってないってことなのか。) (そうなるな。・・・俺で良かったな、誠。) (まだましみたいな言い方はやめてくれ。) この時の俺はまだ、自分がどういう立場なのかまだ理解していなかった。
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