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「もうすぐ、生徒会の長である生徒会長を決める選挙があるらしい。僕はまず、そこで生徒会長になるよ。」
サタンは、さも当然のようにそう言い放った。
(何言ってんだよ。生徒会長は毎年、立候補が多くて、そう簡単になれるもんじゃないんだ。)
(それはそうだろうな。なんたって学校のトップだ。)
(それもあるけど、大半は推薦狙いなんだ。生徒会長ってのは箔がつくから。)
(なるほどね。トップの座は次への踏み台でしかないってことか。心配するな。上を見てる奴は、どんなに下に気を張ってても必ず、下に対しての妥協が出てくる。そんな奴らに負けるようなら地獄の王様は交代だな。)
「何話てんのさ、全く。いいよなベルゼブブは、契約者と会話できて。」
(・・・。どういうことだ。俺だけなのか、こんな風に自由に会話ができるのは。)
(そうだ。原理は分からんが、なぜか俺と契約を結んだ者は、いつでも自由な意思疎通が出来るんだ。)
(じゃあ、他の契約者はどんな感じなんだ。)
(完全分離だ。会話はむろん出来ず、体を支配されている時は眠っているのと同義だと聞いている。)
(まじかよ。じゃあ自分の悪魔がどんな奴か分かってないってことなのか。)
(そうなるな。・・・俺で良かったな、誠。)
(まだましみたいな言い方はやめてくれ。)
この時の俺はまだ、自分がどういう立場なのかまだ理解していなかった。
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