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サタンとの話し合いが終わり、サタンは白塚光世へと戻った。俺は彼におおまかな事情を説明した。
「そんなわけで、どうも生徒会に入ることが決まったらしい。」
「はーん。まあ別に俺はいいけどな。」
「お前はもうちょっと抵抗することを覚えてもいい気がするけどな。」
「それより誠と一緒に生徒会か。楽しくなりそうだな。」
「俺は憂鬱だよ。俺の体質知ってるだろ。」
「ああ、あがり症なんだっけ誠。長身でイケメンなのにもったいないねぇ。」
「関係ないよ。クラスじゃあ、ほとんど何も話さないから、近寄りがたいって言われてるらしいし。」
「へー、そんなこと言われてんだ。なんなら俺がそんなことないぞって言ってやろうか。」
「いいよ、余計ややこしくなりそうだ。それに俺は一人の時間が結構気に入ってるんだ。」
「ふーん。やっぱ変わってんな誠。」
そう言うと彼は微笑んだ。確かに俺は変わっていると思うが、光世も大概である。
「誠はサタン見たんだろ。元気そうだったか。」
(そうだった。光世は最初の契約の時以外サタンと触れ合うことができないんだ。)
「なんていうか、王様らしくないなって思った。」
「だよな、俺もそう思った。」
「でも不思議だとは思わなかった。」
「ん、それってどういう意味。」
彼がそう言った瞬間、チャイムが鳴った。「この話はまた今度。次体育だろ、急がないと。」
「うわ、やべ。何もしてない。」
俺達はすぐに体操着に着替えて、小走りで教室から出た。
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