第3章 生徒会

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一週間後 「・・・まじかよ。」 廊下にでかでかと貼られた選挙結果には、光世の名前が大きく出ていた。 つまり今回の候補者6人の中から光世が選ばれて、正式に生徒会長になってしまったということだ。教室に入ると、光世の机の周りにやたら人が集まっていた。誰にも気づかれないようにそっと席に着くと、集まっていた前の女子がしゃべりかけてきた。 「ねぇねぇ、武部くん副会長になるんだってね。応援してるよー。」 「私も私もー。」 「・・・いや、俺は。」 はっきりいって苦手な状況だ。話しかけてくれること自体は嬉しいが、詰め寄られるとどうしても緊張してしまう。すると前の光世が 「はいはい、この話はおしまい。もうすぐ授業始まるから席ついたら。」 そういって皆をそれぞれの席に返した。 「すまん光世。」 「いちいちお礼言うなって。それより俺、生徒会長になっちゃたよ。はは。」 「でも正直お前は適任だったと思う。」 「ありがとよ。でもこれはサタンのおかげで手に入った地位だしな。」 「なんども言うけど、光世は適任だよ。どうやったかは知らないけど、サタンの助けがなくても光世は勝ってたさ。」 「・・・そっか。まあ、とりあえず一緒に頑張っていこうや、副会長。」 「やっぱりやらないといけないかな。」 「サタンとかベルゼブブのためじゃなくて、俺のためになってくれないか。俺はお前とやってみたいんだ。」 「・・・。」 「やっぱり無理かな。」 「光世のお願いならやらないわけにはいかないよ。」 「よし。んじゃさっそくだけど放課後、生徒会室へ行くぞ。」 「了解。」 こうして俺達は生徒会としてのスタートを切った。
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