裏生徒会

第3章 生徒会

「武部、副会長やるんだってね。」
放課後に生徒会室へ向かっていた俺は女子の急な呼びかけに戸惑いつつも
「ああ、成り行きだけどね。」と答えた。
彼女の名前は浅井　日奈華（あさい　ひなか）。中学からの友達で、気が強くて正義感の塊のような女の子だ。たまに俺をからかうくせに、ちょっとしたことで怒ったりもするので非常に気難しい性格だと思う。中学まではバレー部だったが今は美術部の部長をしている。
「ふーん。成り行きでも武部ってそういうの苦手なんじゃなかったけ。」
「う、うるさいな。光世に頼まれたんだよ。」
「ふふ。本当に仲いいのね、あなた達。」
「・・・まあね。俺の数少ない親友だから。」
「親友か。なんかいいね、そういうの。」
「何言ってんのさ、浅井もその数少ない一人じゃないか。」
「・・・え、私。あ、ああ、そうなの。そうよね。うん。ありがとう。頑張ってね。」
そう言うと彼女は去って行った。
「・・・やっぱり分からない。」
去っていく彼女を見て俺はそう呟いた。