第3章 生徒会

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<浅井 日奈華> 私は角を曲がって止まり、彼が見えなくなったのを確認すると深く深呼吸をして 「よっしゃ。」と言ってガッツポーズを取った。 「何がよっしゃなの。」 「どわあああああああ。」 「女の子が、どわあはないでしょ。」 「な、なにしてんの琴音。」 彼女の名前は吉田 琴音(よしだ ことね)。1組の優等生で、真面目でちょこっと怖い性格だ。 浅井とは親同士が友達で、幼い頃から一緒に遊んでいた仲である。部活は入っていないが(基本1組は入らない)、よく本を読んでいる。 「何したって私の勝手でしょ。それより何がよっしゃなのよ、そんなに嬉しいことでもあったの。」 「そ、そうよ。教えられないけど、特別に嬉しいことがあったんだから。」 「親友認定が特別に嬉しかったのね。」 「どわあああああああ。」 「だから、どわあは・・」 「聞いてたんなら先に言ってよ。恥ずかしいじゃない。」 「今更何を恥ずかしがってるのよ。そんなんだから、親友認定程度で満足しちゃうんでしょうが。」 「ガーン。っていうか何で知ってるの、私が武部のこと・・」 「私は3つの時からあんたの生態を調査してるのよ。なめないでもらえるかしら。」 「調査って。」 「とにかく、これで満足だけはしないことね。」 「親友、怖い。」 私は親友の嬉しさと怖さを同時に知った。
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