5人が本棚に入れています
本棚に追加
<浅井 日奈華>
私は角を曲がって止まり、彼が見えなくなったのを確認すると深く深呼吸をして
「よっしゃ。」と言ってガッツポーズを取った。
「何がよっしゃなの。」
「どわあああああああ。」
「女の子が、どわあはないでしょ。」
「な、なにしてんの琴音。」
彼女の名前は吉田 琴音(よしだ ことね)。1組の優等生で、真面目でちょこっと怖い性格だ。
浅井とは親同士が友達で、幼い頃から一緒に遊んでいた仲である。部活は入っていないが(基本1組は入らない)、よく本を読んでいる。
「何したって私の勝手でしょ。それより何がよっしゃなのよ、そんなに嬉しいことでもあったの。」
「そ、そうよ。教えられないけど、特別に嬉しいことがあったんだから。」
「親友認定が特別に嬉しかったのね。」
「どわあああああああ。」
「だから、どわあは・・」
「聞いてたんなら先に言ってよ。恥ずかしいじゃない。」
「今更何を恥ずかしがってるのよ。そんなんだから、親友認定程度で満足しちゃうんでしょうが。」
「ガーン。っていうか何で知ってるの、私が武部のこと・・」
「私は3つの時からあんたの生態を調査してるのよ。なめないでもらえるかしら。」
「調査って。」
「とにかく、これで満足だけはしないことね。」
「親友、怖い。」
私は親友の嬉しさと怖さを同時に知った。
最初のコメントを投稿しよう!