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「・・・まじかよ。」
「時間から考えても、おそらくサタンはその高校の人間と契約したに違いない。よって俺達もその高校の人間と契約することが、サタンに近づく近道と考えた。」
「契約ってなんだ。」
「契約とは少しの間、人間の体を借りることだ。俺達はこの世界の住人ではない。よってこの世界で生きられる時間は1日もありはしないが、契約を行えば、この世界でも生きながらえることができる。」
「・・・いよいよ悪魔らしくなってきたな。つまり、お前は王新学園高校に通う俺と契約し、サタン探しに利用しようと考えたわけだな。」
「・・・そういうことになるな。」
「ちなみに、断ったらどうなるの。」
「無理やり。」
彼はニヤリと笑った。
「初めから、対等じゃないのね。分かった契約するよ。」
「話が早くて助かる。」
契約の手順は簡単だった。お互いの血を飲み込み、「ケルシェルタ」とお互い言うだけ。
「ケルシェルタ。」
お互い、そう叫んだときそこにもう彼は消えていた。
「もしかして、失敗・・・」
(成功だ。何嬉しそうにしてんだ。)
「うぉ、どっから話しかけてきたお前。」
(心の中からだ。あと、お前じゃない。俺の名はベルゼブブだ。)
「ベルゼブブか、長いな。ブブでいいか。」
(だいぶ適当だなお前。呼び方は何でもいい。お前の名はなんだ。)
「俺の名は武部 誠(たけべ まこと)。王新学園高校3年だ。」
(了解だ、誠。いい関係にしていこう。)
「よく言うよ、思ってもないだろ。」
(やれやれ、だいぶひねくれているなお前。まあ、無理やり契約させたから、そう思われるのも仕方ないけどな。)
「それもあるけど、なんていうか・・・。勘だな俺の。」
(なかなか鋭いじゃないか。理屈だけ正しい奴は二流だ。分からない部分を当ててこその一流だ。お前は正しい。その勘が当たっているかどうかは、知らないけどな。)
「・・・あと、俺は目立つことが嫌いだ。サタン探しとやらに協力はするが、それ以外は俺の好きなようにやらせてもらうよ。」
(了解だ。それでいい。むしろお前の行動に興味が出てきた。)
「・・・・じゃあ寝るよ。疲れた。」
何が起きたか、いまいち把握できてない所もあるが、とにかく俺はめんどくさいことに巻き込まれたことだけは実感できた。
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