【おまけ1】リオガンの日記2

1/3
354人が本棚に入れています
本棚に追加
/52ページ

【おまけ1】リオガンの日記2

『○月×日、雪。  チェルルが屋敷を発って、数日過ぎた。屋敷の中がちょっとだけ静かで、なんだか寂しくなってくる。  けれど一番大変そうなのは、ハムレット先生だと思う。  最近、ハムレット先生の様子がとても変だ。  今日も朝食の目玉焼きにバルサミコ酢を掛けて食べた。凄い顔をしながら、でも「これで合ってるんだ」と言いたそうな顔で残さず食べてた。いつも、ソース派なのに。  それだけじゃない。一昨日はペーパーナイフで指を切って、なんかびっくりしたまま固まってた。側で仕事の手伝いをしていたレーティスの方が驚いて、慌てて止血をしたりしていた。  他にも階段を踏み外しそうになってキフラス様が抱え上げたり、歩いていて柱や扉にぶつかって額を赤くしたり。  みんな、オロオロしている。  でも先生は「なんでもない!」と言うから、あまりそこに触れられない。ちょっと、可哀想に思う。  チェルルが、ハムレット先生の事が好きだっていうのは知ってる。何度か二人がキスをしているのも見た事がある。  あんなに色っぽい顔をしているチェルルを、見た事がない。それで、本当に好きなんだって分かった。     
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!