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【おまけ1】リオガンの日記2
『○月×日、雪。
チェルルが屋敷を発って、数日過ぎた。屋敷の中がちょっとだけ静かで、なんだか寂しくなってくる。
けれど一番大変そうなのは、ハムレット先生だと思う。
最近、ハムレット先生の様子がとても変だ。
今日も朝食の目玉焼きにバルサミコ酢を掛けて食べた。凄い顔をしながら、でも「これで合ってるんだ」と言いたそうな顔で残さず食べてた。いつも、ソース派なのに。
それだけじゃない。一昨日はペーパーナイフで指を切って、なんかびっくりしたまま固まってた。側で仕事の手伝いをしていたレーティスの方が驚いて、慌てて止血をしたりしていた。
他にも階段を踏み外しそうになってキフラス様が抱え上げたり、歩いていて柱や扉にぶつかって額を赤くしたり。
みんな、オロオロしている。
でも先生は「なんでもない!」と言うから、あまりそこに触れられない。ちょっと、可哀想に思う。
チェルルが、ハムレット先生の事が好きだっていうのは知ってる。何度か二人がキスをしているのも見た事がある。
あんなに色っぽい顔をしているチェルルを、見た事がない。それで、本当に好きなんだって分かった。
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