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 胸を張る時雨沢とは裏腹に、祐樹はうんざりした表情を浮かべて訊ねた。 「三人の死神の実際の仕事現場に同行するってことですか?」 「その通りだ」 ──不可能。  祐樹は内心で深くうなだれた。契約を取る自信もなく、取れたところでパートナーとなる死神とうまくコミュニケーションを取ることが到底できるとは思えなかった。 「スカウト者は、ただスカウトだけすればいいってものじゃない。死神という過酷な仕事のアフターフォローをすることも大切な仕事の一つだ。死神のメンタル管理ができ、死神と信頼関係を築けるようになって一人前と言える」 「難しそうですね」 「おまえにはそうだろうな」 ──はあ!?  間髪を入れずにツッコミを返されて、祐樹は思わずむっとした。凹んだりむっとしたり、我ながら忙しいと思いながら。 「俺は四人のパートナーを抱えながら日常的にスカウト業務もこなしている。おまけにおまえのような新人の教育にまで関わってるんだぞ」 ──はいはい。  立派な社畜ですね。祐樹は心の中で毒づいた。しかし時雨沢が有能であることは、仕事を始めたばかりの祐樹でも勘づいていた。口は悪いが頼りがいはある。 「まあ、千里の道も一歩から、ってな。腐る暇があったらスカウトに動けよ」     
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