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検察の求刑――
『懲役3年6ヶ月』
その瞬間、被告人が目を瞑って、どこかホッとしたような顔をしました。
3年6ヶ月――
重いようですが、検察側も被告人の苦労を譲歩したように感じました。
偽札事件は重犯罪です。初犯で反省していても、5年とか6年を求刑されることが多いそうなので、それを思うと、検察側もできる限りの恩情を与えた。
そんな気がしました。
対して弁護側――
『情状酌量を汲んで、執行猶予を』
これは、予想通りの展開でした。
後は、裁判員と裁判官で量刑を決め、判決を下すのみとなりました。
裁判官が被告人に「言いたいことは」と聞き、被告人が証言台に立ちました。
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