目的とは

1/3
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ

目的とは

「!?…どういうことだ?」 「流石にワケが分からないわよね。学年一位の成績を誇る柏木睇輔。私が守りたかった人。」 「当たり前のように守りたかった人なんて言えるのが凄いな。僕を殺すつもりなのか?」 「えぇ。そうしたら貴方は他の死に方をしない。私以外に殺されることもない。でも…今回ばかりは盲点だった。まさか貴方が。」 「自ら死を選んだことか。」 「その通り。」 「やはりな。」 「何故そんなにも冷静なの?」 「僕にも分からない。今日はやけに頭が冴えている。」 「貴方はいつでもそうじゃない。」 「普段より格別だ。」 「…そう。何だか悲しい。」 「ごめん。多分頭が可笑しくなってる。」 「貴方はいつでもそうじゃない。」 「馬鹿にしてるのか。」 「冗談に聞こえた?」 「まったく。」 「正解。」 「なんて奴だ。」 「…本題に戻りましょうか。」 「戻りたくない。」 「もう時間よ。」 「僕に死ねと?」 「もう死んでるじゃない。」 「そうだった。」 「やっぱり貴方可笑しいわね。」 「不思議と悪くない気分だ。」 「この状況だからじゃないかしら。」 「そうなのかなぁ。」 「まぁ。それもそろそろ終わってしまうわ。」 今のうちにゆっくりと噛み締めて。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!