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歴史
柏木梯輔の同級生である要癒雛は彼に恋していた。
彼を守りたかった彼女は禁忌の方法である悪魔との契約を通し、彼の心臓を手に入れた。
しかし彼は自ら命を落としてしまった。勝手に自分を殺してしまったのだ。
最後の抵抗として虫の息であった彼を一瞬生き返し、彼女は本当の想いを伝えようと別次元へ彼を連れ出した。二人だけしかいない世界に。
無理だった。
最後の最後まで愛してるとは言えなかった。
終わってしまう命を止めることも出来ず、彼女はとどめを刺したのだ。
現実に戻った要癒雛は、柏木梯輔が居なくなった世界に落胆し涙を零している。彼女は人間でないその身体をひしと抱きしめた。
秋の空は雲ひとつ無く、晴天に恵まれていた。
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