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同じクラス
「起きて、呼ばれてるよ。」
「ほら起きて!」
聞き慣れた明るい声が耳に入ると共に、頭にいつもの手が触れる。
大成が目を覚ますと、部活の後輩が二人、ドアの端に立っている。
「まったく、今日も寝っぱなしなんだから。授業くらい起きてないと来年の受験に・・・」
「あ~、悪い悪い、感想文な。今出すわ」
毎日同じようなおこごとを言う心音の話を遮って、大成が後輩に話す。
「ゴメンね毎週、コイツのせいで大変でしょ。お昼の時間無くなっちゃって。」
「いえ、、期限までに提出しなきゃならないんで。でも、毎週必ず書いてきて下さってるので、期限の時間ギリギリでもちょっと安心して取りに来れます。」
「ちょっとってなんだよ。それに、安心してるなら今度から書かないでこようか?」
「それは困ります。すみません。」
後輩が慌てて頭を下げる。
「冗談だよ、こっちだって眼鏡ザルに怒られるのは勘弁だからな~。そんじゃ、また部活でな」
そう言って笑いながら自分の席に戻ろうと振り返った大成の頭に、心音の手が飛ぶ。
「イテっ、、なんだよ、起こした挙句家庭内暴力かよ」
「何が家庭内暴力よ、毎回毎回後輩に迷惑かけて。」
「また夫婦喧嘩やってるよ、いいもんだよな」
周囲からヤジが飛ぶ。
「いや~、いつもいつもうちの心音がうるさくてごめんな~」
心音が顔を赤くして、いつものグループへ戻る。
戻ったグループでも、心音はイジられていた。
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