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「にゃあん」
女の足元から、白いふわふわの猫が顔を出した。
ほとんど白くてわたあめみたいな毛に覆われた、丸い目の猫で、不思議そうな顔で僕を見ている。
「あ、キララちゃんは出てこなくていいからね。野良なんかに関わったら変な病気をもらっても行けないし」
この女、完全に前言撤回だ。
他人の住居を勝手に占拠した挙句に、ペットまで飼ってるなんて。
顔面偏差値がなんだ、こんな暴挙は許しちゃいけない。
「シャ……(この……)」
爪を全開にして、僕を押しのけようとする女の足に標的を定めた時だった。
「にゃあうん?(あなた、人間ね?)」
白い猫が、喋った。
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