第1章

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 あれ? え? うそ?  疑問が渦巻くが、どうやら野宿していたらしいことは理解した。ついでに、手足がなんだか知らないけれどもふもふの縞柄になっていることも、一応は理解した。  まさかと思って公園内にあった水たまりを覗いてみれば、やっぱりというか、そこにはビヨーンと伸びた長いひげを持つ猫がいた。  しかも目が少々細くて小さめで、よく雑誌やネットでアイドルとして人気ものになるかわいい猫たちとは、全然全くちがう。色柄は日本全国どこにでもいるグレーと黒の縞柄だし、足も特別長くなけりゃ顔つきがかわいいわけでもない。  なんだ、猫になってしまった時くらいイケメンになったって良いのにな。  どうせ夢なんだから。  こういう特殊な場合でも理想的な良い顔にならないあたりが、どこか抜けてると評されがちな自分に合ってるような気もするけれど。
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