6人が本棚に入れています
本棚に追加
「んにゃ?(あれ?)」
開かない。おかしいな、猫の力じゃ開かないんだろうか。
そんなに重かったっけ、うちのサッシ。ボロいし軽い方だと思ってたけど。
もう一度、今度はさっきよりも力を入れてみた。でもやっぱり開かない。
「んにゃう(なんでだろう)」
おかしいな。
もう一度、と僕が思いっきり力を入れてサッシを引いたとき、ひどく軽くサッシがからからと開いたから、僕は勢い余ってよろけて転けてしまった。
「あれ、猫ちゃん!」
若い女の声が頭上から降ってきて、僕は顔を上げた。
「うわ、ぶっさいく」
そこには僕よりも少し若い女の人がいて、抱えた洗濯カゴの上から僕を見下ろしていた。
ぶさいく、と眉を寄せて付け加えた。
最初のコメントを投稿しよう!