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目を覚ますとそこには見知らぬ天井が広がっていたが、特別驚きはなかった。最近SF やミステリー小説を読み過ぎたせいだろう。まるで物語の世界にでも入ってしまった様だと感じ心が弾んだ。
さて、鑑賞に浸っているのは止め、状況を整理しよう。そう思い辺りを見渡す。すると不思議な事に家具は自分の物が置かれていた。しかし、明らかに私の知らない女性が一人部屋の片隅で寝ていた。
彼女が何か知っているかも知れない。私は彼女に声を掛けてみることにした。
「あ、あのー、すみません」
彼女はこちらが声を掛けると直ぐ目を覚ました。
辺りを確認する様に見渡しこちらを見て、
「誰ですか?」
と、訪ねてきた。
当然の反応だろう。いきなり見ず知らずの男が目の前にいるのだから。逆によく悲鳴を上げないものだと感心してしまった。
私は自分の事と今の状況について話した。
その時私は何かしてはいけない事をしてしまったような感覚がした。
それから彼女と共に部屋に何かしらの手掛かりがないか探したが特に何もなく私達は部屋を出て帰路についた。
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