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唇を軽く触れ合わせたまま降参の呟きを漏らした華の手が、航汰の身体を優しく畳の上に押し倒した。
組み敷かれ、重なったままの唇の隙間から、華の舌が滑り込んでくる。かつてないほど深くまで口腔を犯されて、思わず喉が反った。
「ん……っ」
初めて交わす深い口づけに、頭の芯がジンと痺れる。咥内で互いの舌が絡む音が、鼓膜のすぐ傍で聞こえてくる。
普段の穏やかな華からは想像も出来ない激しいキスに翻弄されていると、Tシャツの裾から華の大きな手が滑り込んできて、ビクッと背が跳ねた。
胸の先端を甘く爪で引っ掻かれると、その度に背筋から脳天に、ビリビリと電流が走るようだった。同時に、下肢へ重ったるい熱が篭っていくのがわかる。
男の自分でも、胸を弄られただけで反応するのかと驚いたけれど、それはきっと、華に触れられているからだ。
デニムの中で明らかに芯を持ち始めている自身を、不意に服の上から撫でられて、航汰は短い悲鳴を上げた。
「やっ……! は、華先生……っ!」
「……止めるか?」
「ちが……止めたいわけじゃ、ないんだけど……」
「今日は、航汰が気持ちいいことしか、しない。でも嫌だと思ったら、ちゃんと言ってくれ」
宥めるように航汰の額へ口づけて、華の手が航汰の下肢を寛げにかかる。
───狡い。
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