番外編 手を出したいのは俺の方

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 脚の付け根だけでなく、性器の根本や裏側までも華の先端に擦られて、未知の快感にゾクリと肌が粟立った。咄嗟に開きかけた脚を、華の腕にたやすく纏めて抱え込まれる。そのまま何度も抽挿を繰り返されて、最早零れる声を抑えることも出来なかった。 「あっ、ぁ……」  時折、抜かれた拍子にわざとなのか、後孔の縁をも擦られて、ビクビクと腰が跳ねる。次第にぬかるんだ音が響き始めたけれど、それがどちらの体液によるものなのかもわからない。  目でも耳でも、そして擦られる箇所からも華の熱をハッキリ感じて、痛いくらいに下肢が張り詰めている。実際に挿入されているわけでもないのに、腿の隙間へ抜き挿しされるたびに、華に貫かれているような錯覚に陥る。  人に与えられる刺激がこんなにも気持ちいいなんて、思わなかった。その相手が華なのだから、尚更だ。  これなら痛くて苦しい方がよほどマシだった。反り返った自身の先端からパタパタと腹に雫が滴るくらい、華の動きに合わせて自然と腰を揺らしてしまう自分が浅ましくて恥ずかしくて、消えてしまいたい。  じわりと目尻に快楽の涙を浮かべる航汰を見下ろす華が、グッと眉を顰めた。 「……航汰……っ」  聞いたことがない、大人の色香を含んだ熱っぽい声で名前を呼ばれた直後。 「んん…───っ!」     
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