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思考が真っ白に弾け、航汰の先端から勢いよく吐き出された精が腹に散った。絶頂の余韻に痙攣する両腿の狭間を、一層激しく擦られて、航汰は無我夢中で畳を掻き毟る。
どのくらい揺さぶられただろう。短く息を詰めてグッと一際強く腰を打ち付けた華が、航汰の脚の間で爆ぜた。彼の精が航汰の性器にパタパタと降り掛かってきて、せめて達したのが自分だけじゃなくて良かったと、溶けかけた思考でぼんやりと思った。
「……華、せん、せー……?」
半ば放心状態で、浅い呼吸を繰り返す航汰の脚を解放した華が、眉を下げて笑いながら、労わるように前髪を払ってくれる。
「この状態で、その呼び方されると、酷い事してる気分になるな」
大丈夫か、と問い掛けてくる華の首に、航汰は脱力した腕を絡めた。
「……気持ち良すぎて、死ぬかと思った……」
「無理させたか?」
後頭部へ優しく添えられる大きな手に、航汰はゆるゆると首を振る。
「……華先生は、ちゃんと気持ち良かった?」
「じゃなかったら、こうならない」
お互いの精で汚れた航汰の腹を意地悪く指先で辿られて、改めて羞恥に顔が熱くなった。
華に出会うまで、そもそも恋愛経験すらなかったのだから、知らなくても当然なのだが、好きな相手と触れ合うとあんなにもグズグズになってしまうものなのか。まさか自分の口から、自然と甘い声が零れるなんて、思ってもみなかった。
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